In front of モーニングごはん。

映画メインで諸々の感想を

2018-01-01から1年間の記事一覧

平成の終わりと村下孝蔵

天皇が変わって10連休との報道をみた。 現・皇太子が天皇になるタイミングで、是非とも村下孝蔵『初恋』を歌って、それをTVで放映してほしいと思う。 顔が似ているし、ぜひ全力でモノマネ弾き語りをしてほしい。僕にはよくわからない儀式よりも、村下孝蔵コ…

木村拓哉は100点 それ以外は0点 『検察側の罪人』50点

木村拓哉を映画でみるのは初めてだったが、スクリーンがでかくてもカッコ良かった。「かっこいい男」の代表として扱われるから、バカにされることもあるけれど、だからこそ、良い映画に恵まれてほしい。しかし、今回はプロデューサー・監督・共演者に恵まれ…

散漫で浅いが、フィリップ・ロスの原作が読みたくなった 『アメリカン・バーニング』57点

ユアン・マクレガーが監督・主演を務めたという本作。 日本では劇場公開されなかったが、DVDで鑑賞できる。この作品をなぜ知ったかというと、原作がフィリップ・ロスの『アメリカン・パストラル』ということでつながった。 しかし、なぜ映画の邦題を『アメリ…

これを観れば他の日本映画がいかにクソかよくわかる 『カメラを止めるな』 90点

2018年度最大の話題作ではないか。現在はシネコンにも進出して、興行的に大成功。評論家・批評家の評判も高い。半信半疑で観に行ったが、世間の評価に納得できた。映画館が笑いの渦に包まれるという経験は、記憶している限りでは、人生二度目で、やはり笑い…

こういう映画をもっとみたい 『レディ・バード』 91点

ごくたまに、「タイムマシンがあれば、自分の父親や母親が若い頃に戻って、両親がそれぞれ初めて車に乗ったり、お酒を飲んだりしている、その瞬間を見てみたい」と思うのだが、映画の最後の場面で、いつもより強くそう思った。初めて免許を取った主人公と、…

問題提起とサスペンスのバランスが絶妙。『ウインド・リバー』 87点

監督・脚本はテイラー・シェリダン。今後はこの人にも注目していくことになるだろう。脚本家としてはすでに高名なようで、この人が脚本を手掛けた作品も時間を作って追いかけたい。ネットフィリックスに上がっている模様。 映画の舞台は、ワイオミング州のネ…

すみません眠かったです『海を駆ける』43点

ファンタジーっぽい作品と知って、やや嫌な予感がした。ファンタジーといえば、邦画では基本に「心温まる」という感じで食傷気味。でも、深田晃司監督ならば、「心温まる」系の最大公約数を狙った映画ではないだろうという信頼があったので、観ることにした…

竹馬でケンケンするオッサン

今日気づいたが、電車の窓に短冊がたくさん貼ってある。子どもたちの願いが書かれた短冊が、横に6~7枚程度。。七夕前後からの催しだと思うが、今日までまったく気が付かなかった。余裕がなかったからだろうか。子どもたちの願いは他愛もないものが多い、…

ようやく見てきた『万引き家族』 77点 

先日、電車でオッサンが「『万引き家族』は意味が分からなかった」と言っているのを聴いた。確かに、一言でなにかテーマを言えるような作品ではなく、「家族の不確かさ」と言ったところで薄っぺらくなるような、多義的で重い映画だった。そもそも、一言で映…

知ってるものを観たいわけじゃない 『レディ・プレイヤー』58点

スピルバーグのエンターテイメントって、何を観ても「観たことある感」がある。それはたぶん、エンターテイメント映画の文法の一つをつくったスピルバーグの手法がすごすぎて、その後のスタンダードになったからだろう。 やっぱりスピルバーグはすごい・・・…

エア連載 「俺の折々の音」~その1

七年くらい続けてきた新聞購読を辞めようかと考えているが、「折々のことば」は好きだ。もちろん「折々のうた」も好きだった。心のなかの最もミーハーな部分が、「おいどんも『折々』したいでゴワス」とうるさいので、素直にしたがうことにした。 いいじゃな…

私立バーフバリ大学 『バーフバリ 王の凱旋』67点

話題になっていた『バーフバリ』を観たが、長時間のうち、心が動いたのはダンス&音楽のシーンくらいで、あとは動かざること山のごとし。山のフドウになって、涙目の子どもたちを抱きしめたい気持ちになった。 これなら別に漫画で十分という感想。ぎくしゃく…

『アンロック/陰謀のコード』 37点

どこかでだれかが褒めているのを読んだので気になっていた。そろそろ公開が終わりそうなので、レイトショーにて鑑賞。 主人公のトラウマ、テロをめぐる攻防、仲間のなかの内通者、敵スナイパーの顔、最後のカウントダウン演出、B級俳優の安い演技。とにかく…

まごうことなき駄作だが、『ひるね姫』よりはマシ 『ダウンサイズ』22点

このポスター。小学生的発想でダサく、これでは観に行きたいと思えない。 特に「ダウンサイズ」の文字がどんどん小さくなっていく感じが、小学生的で、フォントも工夫がない。 なにが言いたいのかというと、このポスターのデザインを考えた人も「この映画に…

世間の高評価に納得 『シェイプオブウォーター』91点

幼少期に声帯を切られた上に捨てられた中年女性と、研究用にアマゾンから連れてこられた「魚人(?)」の恋の物語。冒頭の数分、主人公の日々が「同じことの繰り返し」であることが端的に示されている。いつもと同じ時間に起き、風呂に入り、同じバスにのり…

20分くらいの短編映画にすべき 『15時17分、パリ行き』53点

イーストウッド監督作はいつも評価が高く、熱心なファンが多い。『父親たちの星条旗』みたいな大作も作れば、『グラントリノ』のような佳作も撮る。俳優としてはもちろん、監督としての評価ももはや揺るぎないわけだが、今回はいかがなものか。 列車内でのテ…

みんな踊り出す 『グレイテストショーマン』78点

ミュージカルの評価は簡単と言えば簡単だが、難しいと言えば難しい。簡単だと思う理由は、歌とダンスを楽しめたかどうか、で判断したらいいと思うからだ。では、歌とダンスが良かったら物語はどうでもいいのか。物語を考慮にいれると、とたんに評価は難しく…

「答えのある映画」と「答えのない映画」 『デトロイト』86点

画面に緊張感がみなぎっていて、冒頭の実写シーンから「あ、これはちゃんと観ないと」と思わせる力がある。 わざわざ「冒頭の実写シーン」と書いたのは、この映画が、アニメーションによる黒人の歴史の概観から始まるからだ。 実をいうと、ここで「ん?説教…

めちゃくちゃ面白かった 『スリービルボード』95点

アクションエンターテイメントやホラーや恋愛物語もいいけれど、どこか物足りないと感じることが多い。だいたい結末が何パターンかに絞られてしまうからだ。小説でも、エンタメと文学では、それぞれ良いところがある。 でも、後者がやはり面白いと思うのは「…

福山がカッコよければ細かいことはどうでもいいのだ 『マンハント』68点

『君よ憤怒の河を渉れ』は観ていないが、大味なエンターテイメントなのだろうと勝手に想像。そのリメイクなのだから、トンデモ系だろうと推測せざるを得ないが、それでもジョン・ウーと福山雅治の魅力には抗しがたく、観に行った。 まず気になったのは、外国…

今年のがっかりNo1 『ダークタワー』16点

スティーブン・キングは、読んだ作品こそ少ないけれど、尊敬する作家の一人だ。40年くらい書き続けて、第一線を走り続けているというのは、凄いの一言につきる。しかし、作品数にくらべると映画化は成功していないようだ。そういえば、いつか観た『IT』も残…

「(喪黒福造+夜神月)÷2」を学芸会レベルでやるとこんな感じか 『不能犯』13点

マンガ原作を実写映画にする場合の駄目な例を見せてもらった。「愚かだね人間は」とか「希望であなたを殺す!」とかいう台詞は、絵と文字で表現するマンガならば成立しても、生身の人間にそのまま言わせたらものすごくダサくなる。それを避けるには、リアリ…

帯に短し襷に長し 『ネイビーシールズ ナチスの金塊を奪還せよ!』65点

原題はrenegadeどういう意味かと調べたら、裏切り者とか背教者とかいう意味だった。このタイトルは映画の趣旨とはややズレているように思ったので、邦題で工夫しようとしたのは頷ける。しかし、なんともフツーな邦題だという感じは否めない。そして実際、映…