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映画メインで諸々の感想を

ひどすぎる映画 『ひるね姫:知らないワタシの物語』3点

絶対に観ない方がいい。 これまでも面白くない映画を観ることはあったが、それでも「あの点がひどいな」と友人と言い合ったりして、それなりに「楽しんで」きた。しかし、『ひるね姫』はひどすぎた。ドクター・ストレンジが今年最低だと思っていたが、レベル…

のぶ代と鉄矢が聴こえない:『ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険』46点

のぶ代から水田わさびに声が変わってから、はや10年。それでも、心のなかでドラえもんを再生するとき、耳のなかに響くのは、のぶ代の声だ。僕は、のぶ代のことを忘れられないでいる・・・ だからといって、新しいドラえもんに馴染めないかというと、決して…

『ラ・ラ・ランド』74点

開始30分くらいはきつかった。お互い最初は相手のことを「何だよあいつ!」と思っているけれど、何度か偶然会ううちに「・・・あれ、なんか惹かれてる・・・」となる。こういうのはもう何度も何度も観た気がして、嫌な予感がしたのだった(嫌な予感は最終…

王様のためのホログラム 65点

西欧人の主人公(男)が、あるミッションを持って「異文化」に乗り込んでいく。最初は文化の違いに戸惑い、挫折しそうになるが、バディを見つけ(女性のパートナーも見つけ)次第にその土地に溶け込み始める。文化の差を尊重しつつ、共存する方法を見つける…

スノーデン 68点

すっかり忘れていたスノーデン事件。考えてみれば不思議である。アメリカ国家安全保障局(NSA)が、日本の政治エリートや行政機関から、私たち「一般人」にいたるまで、あらゆる人間のネット上での個人情報を、いつでも不法に閲覧する能力を持っており、現に…

ドクター・ストレンジ 7点

僕がこれまで映画館で観てきた作品は、これに較べたらとてもレベルが高いのだなあと思わせてくれた。これまで観てきた映画に心から感謝できる、とてもすてきな作品だった。迷っている人は観ない方がいいと思う。 開始2分くらいでヤバい雰囲気プンプン。天才…

『沈黙』 73点

遠藤周作の原作を読んだとき、迫害を受ける民衆の姿がただただ痛ましく、読むのが辛かった思い出がある。 映画化となれば、当然、拷問の場面を克明に描くことになるのだろう。そう思って観に行ったら、やはりその通り。 荒波に打たれ続ける、藁を巻いて泳げ…

『アイ・イン・ザ・スカイ』 78点

戦争の現在地を鋭く捉えた映画、ということになるだろう。 ケニアの過激派テロ組織が、新たな自爆テロを計画している。この組織のメンバーにはイギリス人やアメリカ人もおり、どうやら世界中から「兵士」をリクルートしているようだ(明らかにISを想定してい…

『マイルス・デイビス 空白の5年間』 76点

ジャズは全然わからないけれど、そのかっこよさに惹かれて、大学の時にいろいろ聴いた。「わからないのにかっこいい」と思えたのはなぜかというと、当時読んでいた中上健次や村上春樹がジャズを褒めていたからだ。一種の「教養」として「勉強」しようとして…

山上たつひこ『ごめん下さい』(双葉社、1984年) 67点

雑誌『スーパーアクション』1983年6月号から84年5月号まで連載されたギャグマンガ。 山上たつひこといえば『がきデカ』で、あの破壊力を期待して読むとどうにも消化不良。ギャグも下ネタも、現実からの乖離度が低く、想定内に収まっている。 老母が垂れた乳…

『この世界の片隅に』 89点

「15年戦争」とか「アジア・太平洋戦争」とかよばれるあの戦争の末期。その時代を想像するとき、私たちは「暗い谷間の時代」として思い起こしがちだ。人びとは、不本意な戦争に「まきこまれ」、それでも不平不満はあからさまに言えず、粛々と国家の滅亡に…

映画『ソーセージ・パーティ』 73点

近年話題になる3Dアニメは、「お子様にもおススメできます」という「正しさ」を満たしつつ、上質のエンターテイメントになっているものばかり。そのレベルの高さに驚くとともに、食傷気味なのも事実。バカっぽい3Dアニメがあってもいいと思っていたら、本…

僕も書きたい「食エッセイ」

食べるのが嫌いな人は、一人しか知らないけれど、その人だって、生きている以上は食べているわけだし、空腹のときに何か口に入れたら「おいしい」と感じているはずだ。「海外旅行に行ったことがないんです」という人はいても、「食べたことないんです」は基…

自分の年齢と他人の名前

子どものころ、一年に何度か「自分の年齢をすぐにいえない大人」に遭遇した。「え~、いま●●年? じゃあ、□歳か?」と計算している大人の姿をよく覚えている。なんで自分の年齢を忘れるということがあり得るのか、不思議だった。大人と言うのはそういうもん…

観てしまった『ゴーストバスターズ』

子どもの頃によくテレビでやっていたが、どのエピソードが1か2か、記憶が混乱している。1は1984年、2は1989年ということだから、実に27年ぶりのリブートだ。 で、今回の『ゴーストバスターズ』、総合的な評価は、記憶のなかの80年代の『ゴーストバスター…

一人で必死に考えている人

昔、小説家になりたかった。いまも少しその気持ちは残っているが、現時点では何も書いていないから、なれる見込みはゼロだ。だからというわけではないが、他人が一生懸命書いている姿を見ると、熱くなる。 といっても、「他人が一生懸命書いている姿」を実際…

ゴジラはやっぱり夜がいい ~『シン・ゴジラ』(2016)感想~

『ゴジラ』のような有名シリーズの映画化は、どこかスポーツに似ている、気がする。 決まったルールに従って、いかに現代的な物語りを紡ぐか、如何に面白い演出をするか、というのを競っているようなところがあるからだ。 当然ながら、庵野秀明以下の製作者…