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もっとバカになれ! 『バリー・シール/アメリカをはめた男』 54点

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監督と主演が『オール・ユー・ニード・イズ・キル』と同じだと言うことで気になっていた。
要は、CIAとコロンビアの麻薬組織にうまく使われて(自分ではうまく両者を使いこなしたと思い続けて)、最後は殺された犯罪者の「事実に基づいた物語」(BY戸田奈津子 二カ所くらい、意味不明な字幕があった)。
客引きのためか、副題は「アメリカをはめた男」となっているが、はめられたのはどちらか、一目瞭然だろう。
ただ、バリー・シールがやったことはスケールがでかく、気になる人物ではあるから、映画化されるのも納得。
映画では、当時のレーガン政権とその側近たちをいい感じでバカにしていて、好感を持った。

 

映画を観ていてもっともアガったのは、次の場面。
主人公のバリー・シール(トム・ハンクス)が、金を稼ぎまくるわけだが、使う暇もないし、管理する暇もないくらい忙しい・・・、という場面だ。
バリーが金持ちすぎるので、その町に従来からあった銀行や信用金庫だけでなく、他の銀行も支店を開く。
それでも預けきれず、バリーは家のクローゼットや、靴箱なんかに札束を詰めまくる。
それでも金が増えるので、最終的には埋めるのだが、埋める場所もなくなっていく。
バリーのもうお金にウンザリ・・・という感じの表情がよかった。

でも、同じ場面が、不満でもある。
もっとバカさが欲しかったのだ
たとえばスコセッシの『ウルフ・オブ・ウォールストリート』のような、成金のバカっぽさが欲しかった。

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この映画『バリー・シール』には、魅力的なバカが何人か登場するのだから、それをうまく使う方法もあったのではないか。
たとえば、バリーの妻。みるからに頭が悪そう。
それに輪をかけて頭が悪いJB(バリーの妻の弟)。
この二人をいかした、もっとクレイジーな金の使い方を観たかった。
特にJBという人物はかなりの「逸材」。
JBのバカな顔と服装を観るためだけに映画館に行く価値は。。。ないかな。

 

あと、バリーがコロンビアで豪遊するとか、そういうところも観たかった。なんというか、主人公が思ったよりも常識的というか、普通なのが映画として微妙。
それは単に観客の願望というよりも、そうしたほうが映画のラストが悲しくて作劇上も良い気がする。

結局、わかったのはアメリカという国の一部分が根強く持っているバカさ加減で、でも、そんなことはもうみんな知っている。
そもそも、レーガンが(政治家になることはあり得るが)総理になることがおかしい。シュワルツネッガーが(政治家になることはあるだろうが)、州知事というのもおかしい。
これは、俳優に対する差別ではない。
アントニオ猪木が政治家なのはおかしくないが、州知事や総理になるのはおかしいのと同じである(では二世議員ばかりを選び続けている日本の各選挙区の人たちがバカではないのかというと、それは難しいが。というか、政治家の資質って何?という根本問題にいくので、話はこのへんで切り上げる)。

話がそれたが、そうしたバカさ加減なら、すでに知っているのだから、そうではない、僕が知らないような、クレイジーなバカたちを観たかった。
とにかく、ダラダラと長く感じたので、低評価。