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心の底から感心した 『スパイダーマン:スパイダーバース』91点

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マーベルにもDCにも抵抗があって、ええ歳した大人が観るもんでもないし、どうせ勝つし・・・と思って馬鹿にしてた。いろんな有名キャラをどんどん集めるのも馬鹿っぽい。
それはもちろん製作者たちは一生懸命やってるでしょうけどね。
スパイダーマンも、テレビでやってるのを横目で確認したことがあるくらい。トビー・マグワイアのやつですね(今どこで何をしておられるのでしょうか?)。

で、半信半疑で鑑賞し始めたのだが、まず音楽が良かったのですっと入って行けた。
ビギーの曲が流れて、主人公がグラフィティ好きで・・・というのがかっこいい。
マンガのコマを意識した演出も良かった。洒落てるなあ!と圧倒されました。

 

順調にすすんでいったが、最初に躓いたのが、並行世界(マルチバース)の設定。
「なんでもあり感」が出る設定は好きじゃないなあ、と思っていたら、これが良かった。
個性的なスパイダーマンたちが自己紹介していくところの演出は、映画館で笑い声が聞こえて、僕も笑った。

唯一、ひっかかりを感じたのは、敵たちの動機とスパイダーマンたちの動機の関係。
あのすごい体型のミニオンズに出て来る感じの黒服の敵だが、彼が家族に会いたいという動機はよくわかる。よくある「失われた何かを取り戻そうとするマッドサイエンティスト」の一変種だから。
他方で、スパイダーマンたちはどうか。彼ら・彼女らは、元の世界に戻るために、敵の次元転換装置を作動させなければならない。で、一人一人が元の世界に戻ったあとに、最後に残った少年がそれを壊すという計画だ。
でも、これには疑問を感じた。あの黒服の男を殺すか捕らえるか何かすれば、装置を壊す必要はなくて、ゆっくり任意の時間に帰れるんじゃないかしら。

と、見当外れなことを書いたが、素晴らしい作品だと思った。

多様性がしっかり確保されていて、誰が観ても傷つかないつくりになっている。非常にレベルの高いエンターテイメントで、これを作れる人びとが集まるのだから、アメリカの底力を感じた。

豚のスパイダーハム、かわいい。