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僕も「ザ・ドリームズ」のメンバーになって、ジェニファー・ハドソンの後ろで踊りたい。『ドリームガールズ』(2006年) 86点

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良い映画を観ると、3~4時間くらいは、「もっとよく生きよう!」という思いがムクムク湧いてくる。

で、気づけばまたゾンビのような日常で、そこから抜け出すためのカンフル財として映画を観る(ゾンビ状態なので小説を読む集中力をキープできない)。そういうサイクルのなかでこの映画を観た。

アマゾンプライムにて視聴。
観たことないけどテーマ音楽は渡辺直美氏のネタで知ってる・・・という映画。
体内時計が変で、しかし仕事する気にもなれず、ぼーっと見始めたが、次第に引き込まれた。
この映画の監督・脚本は、『シカゴ』や『グレイテストショーマン』の脚本を勤めている人のようで、なるほど、ミュージカルのなかで人間関係の変化やストーリーを進展を描く手腕は、相当に高いレベルにある。

実話にもとづいた創作で、サクセスストーリーと挫折が描かれているというのが好きなので、楽しめた。


言わずと知れたSupreamsに基づく物語で、1967年のデトロイト暴動などを背景にしながら、彼女たち3人と周囲の人びとの姿を描く。
「エフィ」という女性を演じたジェニファー・ハドソンが、とにかく良かった。
容姿では、ビヨンセ演じる「ディーナ」に劣るが、圧倒的歌唱力という設定。彼女は三人組のリード・シンガーを務めていたが、レコードデビューに際して、プロデューサーの意向により、見た目の良い「ディーナ」がリードとなる。「エフィ」とプロデューサーは恋仲だったため、嫉妬もあり、イライラが募っていく。レコーディングで自暴自棄になり、リハーサルをすっぽかすのだ。この頃、「エフィ」はすでにプロデューサーの子どもを身ごもっていたが、それは誰にも口に出さない。
そしてとうとう、メンバーたち全員から「エフィ、もういい加減にしろ、もう一緒にやれない」と引導を渡されてしまう。プロデューサーはすでに代わりのメンバーを用意している。
「エフィ」に感情移入して観ていたので、メンバーたちがクズに見えて辛かった。

「エフィ」全然悪くないやん。

そう思わせる絶妙な演出だった。

で、「エフィ」はその後、子を産み、アルコール中毒になりもするが、シングルマザーとして力強く歩み始める。そして「私には歌しかない」と場末のクラブで再び歌い始めるのだ。プロデューサーからの送金はあるが、受け取ろうともしない。
その「エフィ」が最後、「ディーナ」たち三人組の引退コンサートに呼ばれ、一緒に歌う場面がクライマックス。
どうかんがえてもこれは「エフィ」の物語だろう。ビヨンセのパートは正直どうでもよくて、早く「エフィ」出てこないかなと思って見ていた。
にもかかわらず、ビヨンセに焦点が絞られているあたりに、ショービジネスっぽさが出ており、それはそれで面白い。ビヨンセがいるから、「エフィ」も光ったのだろう。演技なのか素の才能なのかは分からないがビヨンセの空っぽな感じも、うまく機能していた。

ジェニファー・ハドソンは、アカデミー賞助演女優賞も頷ける熱演。というか、主演女優賞をあげろよ! 誰が主演かも含めて、評価しろよアカデミー会員たちよ。映画会社が「この人が主演」といえば、それに従うのか?


ちなみに、Wikipediaによれば、「エフィ」を演じたジェニファー・ハドソンは、その後家族を殺人事件で亡くすという不幸にみまわれたとのこと、、、。辛いです。その後あまり映画で観ないけれど、活躍を期待している。
ドリームガールズのテーマが二回流れるが、ノリノリのバージョンは1回だけというのも、良かった。また観たくなる。

あと、エディ・マーフィーが、何かを諦めた顔でヘロインに手を出す場面があるが、いい演技だった。エディ・マーフィー、死んだ眼がうまい。

映画館で観たかった。