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映画メインで諸々の感想を

去年のベストは『スリービルボード』です。

色々映画を観たけれど、書くのがおっくうで書いていない。
特筆すべきことは、『クワイエット・プレイス』が良かったので、Amazon Primeで『All you need is kill』を見直したくらいかな。
どっちも女優さんが良かったです。

さて、ポピュリズムが何なのか、正直よくわからない。
「人気投票」と理解するなら、そもそも選挙における投票行為はポピュリズムと呼べるだろう。
でも、現今の社会で使われるポピュリズムという言葉は、そうではない。
むしろ、従来の選挙は自分たちの声を代弁していない、という意識を持つ人びとが、選挙を含むがむしろそれ以外の場所で、「自分たちが正しい」と言い始めていることを指して、ポピュリズムと呼んでいるような気がする。
そうだとすると、別に悪いことではないだろう。「そういうもの」なのではないですか。

ただし、「自分たちが正しい」から、「あいつらは間違っている」への距離は極めて近い。
現状で見聞きする「あいつらは間違っている」ばかりだ。
かといって、それを「ポピュリズム」と呼んでしまうと、そもそもこの言葉にはネガティブな意味が与えられているので、「最初から結論が出ている」たぐいの議論になりかねない。

ポピュリズムという言葉で現状を把握するのは、得策ではない気がする。一時期に比べると、ポピュリズムという言葉は、さほど見聞きしなくなったから、それ自体は良いことだと思っている。

むしろ問題は、良いポピュリズムと悪いポピュリズムを区別する基準を、皆で造ることをせずに、なし崩し的にポピュリズムという問題系が忘れられてしまうことだろう。すでに「古い」言葉なのかな、僕はそうは思わないけど。

「自分たちが正しい」から「あいつらは間違っている」に飛び越える際、それは非常に低いハードルだから、意識されていない。僕も意識しないことが多い。「なんか腹立つ」という感情で、やすやすと低いハードルを越えていく。では、その低いハードルは何なのか。偉い人、だれか教えてくれ。

 

ラクラウの『ポピュリズムと理性』という本があるようなので、まずはそれから読んでみようか。