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みんな踊り出す 『グレイテストショーマン』78点

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ミュージカルの評価は簡単と言えば簡単だが、難しいと言えば難しい。
簡単だと思う理由は、歌とダンスを楽しめたかどうか、で判断したらいいと思うからだ。
では、歌とダンスが良かったら物語はどうでもいいのか。物語を考慮にいれると、とたんに評価は難しくなる。
物語自体は割と単純な強い構造を持っている場合が多いし、名作と言われるミュージカルは、みな物語を知った上で、それでも観に行くことが多い。つまり、物語自体に新鮮さはあまり求めていない場合が多いのではないか。
ラ・ラ・ランド』だって、男と女がくっついたり離れたりという強い構造(ベタともいう)だが、しかしよく考えたらストーリーなんてあってないようなもんだったと思う。

で、今回の『グレイテストショーマン』。
前評判では、多様な人びととの共生をテーマにしている「正しい」映画という印象だったが、観てみるとそういうわけでもなかった。
主人公は、商売のために、いろんな人を集めてサーカスを始める。いろんな人たちというのは、19世紀当時の白人たちの価値観のなかでは「異常」だとされる人たちで。例えば、入れ墨だらけだったり、ものすごく大きかったり、小さかったり・・・などなど。主人公は彼ら・彼女らを利用するわけだが、それはお互い様で、彼ら彼女らもサーカスでの仕事を通して生き生きとし始める(いろんな対立をはらみつつ、だが)。
こういう風に書くと、「正しい」映画という風に思えるかもしれないが、実際に観た人はわかるように、「正しさ」に回収されないノイズが入っている。
ノイズというのは、主人公の人格だ。
主人公はわりとわかりやすい上昇志向型人間で、いかにもアメリカ人のステレオタイプに合致する人物として造形されている。馬鹿にされても、さげすまれても、とにかくショーの世界で成功すること(そしてそれで家族に富を与えること)を第一義にしている。
だから、アメリカ的成金野郎が、社会的弱者を踏み台にしまくる映画、ともみえてしまうのだ。

とはいいながら、久しぶりにボロボロ泣きながら映画を観た。
泣けたのは、音楽が趣味に合ったからだろう。
音楽がほとんどすべて良かったので、やっぱり高得点。