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B級映画の最高峰(ただし映画館で観るべし) 『新感染』93点

移動し続けている映画は、それだけでなんかワクワク。
『マッドマックス 怒りのデスロード』は車で、ポンジュノの『スノーピアサー』は電車で、ほぼずっと移動していたから、あんなに良い映画になったのだと信じて疑わない私である。
思えば、中上健次はどこかで(記憶では『現代小説の方法』という本)、小説というのは移動です、と言っていた(まあ、中上健次はそういう思いつきをいろいろ断言することが多かったのだけれど)。
話を戻そう、『新感染』である。
現代の『釜山へ』のほうが、味があって好きだが、内容がいいのでダサい邦題も気にならなかった。

冒頭10分くらいの「キム代理」との会話とか、自宅に帰ったら娘がさみしそう・・・とかいう描写はどうでも良くて、舌打ちしたい気分でぼーっと観る。
「はやく移動しろよ移動」「追われろよゾンビに」。
としか思えない。

で、移動しながら追われるところからワクワクで観る。

脇を固める登場人物たちが良かった。
レスラーみたいな兄ちゃんは、見た瞬間「あ、死ぬな」と思ったらその通り。
でも、それ以外のキャラクターたちは、まさか死ぬなんて!の連続(とくに年老いた姉妹と主人公)。
バス会社社長のクズっぷりは非の打ち所がなく、春の風に似た爽やかさえ感じた(もっと悲惨に死んでも良い)。

とにかく面白く、何も考えずに映画の世界に没頭できた。そういう意味では、エンターテイメントのお手本だと思う。
ゾンビ映画・パニック映画の約束を踏まえつつ、コンパクトにまとめた監督の手腕に脱帽。ただし、ややCGが雑にみえた。もっとお金をつぎ込めばすごい作品になっていただろう(前日譚がアニメになっているようで、映画本編が始まる前に宣伝をしていたが、アニメは絵が無理だった・・・残念)。

 

話はまったく変わるが、93点という高得点をつけた理由は、主演俳優のコン・ユにある。

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これまで見てきた映画のなかで一番かっこいい東アジア人は、『クリーピー』の東出昌大かな、と思っていたが、それを超える男前でしたな。