スノーデン 68点
すっかり忘れていたスノーデン事件。
考えてみれば不思議である。
アメリカ国家安全保障局(NSA)が、日本の政治エリートや行政機関から、私たち「一般人」にいたるまで、あらゆる人間のネット上での個人情報を、いつでも不法に閲覧する能力を持っており、現に盗聴行為を行っているという告発のことを、僕は「すっかり忘れていた」のである。
面白い気もするし、怖い気もする。
さて以下、感想だが・・・
題材が題材なだけに仕方のないことではあるが、映画的な面白さには欠けると言わざるをえない。
面白いと思ったのは、割とわかりやすい「愛国的人物」だったスノーデンが、恋人との関係・日々の業務を通して、政府に疑問を持ち始めるという筋書きである。
特に上司たちの描き方が面白い。
スノーデンの上司の顔がむちゃくちゃ怖くて、大写しになる場面では笑いかけた。
ハワイへの異動を知らされる狩りの場面では、「ああなんかこういう男性ばかりのレジャーも、結局は仕事(こいつできるかどうかの評価とか、交渉の場)なんだなあ、嫌だなあ・・・」としみじみ思えた。
ハワイでの上司は「キャプテンアメリカ」と揶揄されるくらい、わかりやすく愛国的。
恋人役の女性にちょっとイラっとしたが、あそこを丁寧に書かないと、スノーデンが「国を捨てる」という決断の重みが出ないし、仕方ないのかもしれない。
でも、それならば、スノーデンの家族の話をもっと書き込めばいいのにと思った(スノーデン側からストップがかかったのか)
どうでもいいが、ニコラス・ケイジがちょい役で出てきたので、個人的思い出話を。
僕の母は、ニコラス・ケイジを、「ニコラス刑事」というニックネームだと長らく思い込んでいた。「なんか刑事役やってなかった?」と言っていた。まあ、間違ってはいないのかな。
ドキュメンタリーがあるらしいが、わざわざそれを観ようとは思えなかったので、68点。