映画の感想
サリンジャーは野崎孝訳の「ライ麦畑」と、新潮文庫の『ナインストーリーズ』しか読んでないし、それを読んだのももう20年近く前だから、ほとんど記憶がない。俗世を嫌って隠遁し、作品の発表をやめたという伝説は知っていたけれど、「ほ~ええ身分ですな」…
マーベルにもDCにも抵抗があって、ええ歳した大人が観るもんでもないし、どうせ勝つし・・・と思って馬鹿にしてた。いろんな有名キャラをどんどん集めるのも馬鹿っぽい。それはもちろん製作者たちは一生懸命やってるでしょうけどね。スパイダーマンも、テレ…
木村拓哉を映画でみるのは初めてだったが、スクリーンがでかくてもカッコ良かった。「かっこいい男」の代表として扱われるから、バカにされることもあるけれど、だからこそ、良い映画に恵まれてほしい。しかし、今回はプロデューサー・監督・共演者に恵まれ…
宣伝の段階では全く期待していなかった。ポスターがダサかったからだ(ハリソン・フォードが着てる服がユニクロにしかみえない)。 ムツカシイことを言うのが好きな人は、「人間とは何なのか? レプリカントを通して問いかけている」とか言いそうだが、それ…
シャーリーズ・セロンは綺麗で強く、音楽はかっこいい。映画のなかのニュースで、音楽の話題として「サンプリングの是非」のコーナーがあったが、わざわざそんなニュースをピックアップするあたりが憎い。個性的なスパイたちが騙し、騙され・・・的な展開も…
監督と主演が『オール・ユー・ニード・イズ・キル』と同じだと言うことで気になっていた。要は、CIAとコロンビアの麻薬組織にうまく使われて(自分ではうまく両者を使いこなしたと思い続けて)、最後は殺された犯罪者の「事実に基づいた物語」(BY戸田奈津子…
移動し続けている映画は、それだけでなんかワクワク。『マッドマックス 怒りのデスロード』は車で、ポンジュノの『スノーピアサー』は電車で、ほぼずっと移動していたから、あんなに良い映画になったのだと信じて疑わない私である。思えば、中上健次はどこか…
退屈な絵が続いたが、さすがは福山雅治と役所広司。福山は顔が写るだけでなんとか映画を引っ張っていくし、役所広司も「あ、こいつ危ないかも」と「ものすごく考えてる人なのかも」の中間をいく演技が見事だった。是枝監督は、映画のなかで数回、これ見よが…
日本のアニメから着想を得たイタリア映画ということで、気になっていたが、ようやく観ることができた。上映前の館内にはアニメ主題歌が流れていて、いい感じ。 主人公が住む町は30年前くらいにできた郊外のニュータウン的な場所だ(名前は忘れた)。主人公…
ネット上で、監督が本作の結末を「ハッピアー・エンド」と呼んでいた。 強引な「ハッピー・エンド」ではなく、冒頭と比べると少しだけ幸せになっている、という意味だろう。とってつけたような完全無欠の幸福は、夢でしかない。夢を振りまく映画のなかにも、…
前情報でエイリアン映画だと知り、観に行く気持ちになった。 「密室」である宇宙ステーションでの人間VSエイリアン。もちろんハラハラ・ドキドキするだろうし、それも楽しみなのだが、ジャンル映画ならではの楽しみ方というものある。 今回は、次のようなこ…
前作はDVDで観て、楽しかったんです。 音楽の使い方が上手で、バカっぽい演出も楽しく、肩の力を抜いてみることができるエンターテイメントとして、それなりに良い思い出になってるんですよね。いやあ、ほんとうに、いい映画でしたね。 で、今回のリミックス…
気分転換になるような、ボーっと眺めるような映画がいいなあ・・・ と思って、ほとんど情報がないまま映画館へ。なんか思った以上に若い人が多くて、「あれ、間違ったかも」と早くも焦り気味。「そういえば、俺は藤原竜也がいい感じで映っているのを見たこと…
沖縄戦が描かれると知って、観に行った。 宗教上の理由で良心的兵役拒否者になることを選んだが、パールハーバー後に愛国心から志願して兵士になった主人公。しかし、武器は持たず、衛生兵として仲間を助けることで戦争に参加する。実話とのことで、「信念を…
最近なにかと忙しく、映画館に行く気になれなかった。 しかし、気分転換には映画が一番。携帯も切るし、余計なことは考えなくていい。 ということで、黒くて長くてデカい物体が浮いてるというヴィジュアルが強烈な『メッセージ』を観てきた(現代のアライバ…
富田監督の『国道20号線』は忘れがたい名作。その後の『サウダーヂ』は見逃してしまい、残念な思いをしたので、今回の『バンコクナイツ』は期待して行った。勝手に期待していただけなのだが、ちょっとキツかった・・・ 娼婦・貧困・植民地・ベトナム戦争・ク…
原作マンガは読んでいないが、押井守のアニメーションは観たことがある(記憶はあやふやだけど)。アニメーションに忠実な実写映画だと思った。原作マンガ(アニメーション)を実写化すると、ファンを含めて「これは違う!」というような異論が噴出するが、…
『ゴジラ(2014年のほう)』が好きだったので、同じシリーズときいて楽しみにしていたが、フツー。同じ監督だと思ってたら、違ったし。 あらためて2014年の『ゴジラ』の面白さに気づかされた。そもそも、ゴジラは作品ごとにゴジラの形状が大きく変わるので、…
宣伝で観たときは、宇宙船のなかで二人だけが目覚めてフォーリンラブだと思っていた。そういうのSFでありがちだよね~。藤子・F・不二雄にあったような気がする~。とか思ってたら、全然違った。 クリス・プラットが、ジェニファー・ローレンズを起こすかど…
ストーリーを要約しても、ほとんど意味がない映画だと思う。 「黒人社会における同性愛を描いた青春純愛映画」としか言いようがないが、そうまとめたところで、この映画の良さは伝わらない。 強度のある物語構造だから、俳優たちが展開する細かい表情やしぐ…
大工の仕事を長年続けてきたダニエルは、心臓発作を起こし、医者から仕事を止められている。 ある日、ダニエルは雇用支援手当の継続のため、電話で審査を受けるが、結果は「就労可能、手当打ち切り」。今度は、「職業安定所」に求職者手当の申請に行く。しか…
かつては賑わっていたが、今は客が入らず、経営危機にある劇場。この劇場主がコアラだ(年齢不詳)コアラは起死回生のために歌のコンテストを企画。なけなしの金を集めて賞金1000ドルと銘打つつもりが、秘書をしているババアのカメレオン(トカゲ?)のミス…
絶対に観ない方がいい。 これまでも面白くない映画を観ることはあったが、それでも「あの点がひどいな」と友人と言い合ったりして、それなりに「楽しんで」きた。しかし、『ひるね姫』はひどすぎた。ドクター・ストレンジが今年最低だと思っていたが、レベル…
のぶ代から水田わさびに声が変わってから、はや10年。それでも、心のなかでドラえもんを再生するとき、耳のなかに響くのは、のぶ代の声だ。僕は、のぶ代のことを忘れられないでいる・・・ だからといって、新しいドラえもんに馴染めないかというと、決して…
開始30分くらいはきつかった。お互い最初は相手のことを「何だよあいつ!」と思っているけれど、何度か偶然会ううちに「・・・あれ、なんか惹かれてる・・・」となる。こういうのはもう何度も何度も観た気がして、嫌な予感がしたのだった(嫌な予感は最終…
西欧人の主人公(男)が、あるミッションを持って「異文化」に乗り込んでいく。最初は文化の違いに戸惑い、挫折しそうになるが、バディを見つけ(女性のパートナーも見つけ)次第にその土地に溶け込み始める。文化の差を尊重しつつ、共存する方法を見つける…
すっかり忘れていたスノーデン事件。考えてみれば不思議である。アメリカ国家安全保障局(NSA)が、日本の政治エリートや行政機関から、私たち「一般人」にいたるまで、あらゆる人間のネット上での個人情報を、いつでも不法に閲覧する能力を持っており、現に…
僕がこれまで映画館で観てきた作品は、これに較べたらとてもレベルが高いのだなあと思わせてくれた。これまで観てきた映画に心から感謝できる、とてもすてきな作品だった。迷っている人は観ない方がいいと思う。 開始2分くらいでヤバい雰囲気プンプン。天才…
遠藤周作の原作を読んだとき、迫害を受ける民衆の姿がただただ痛ましく、読むのが辛かった思い出がある。 映画化となれば、当然、拷問の場面を克明に描くことになるのだろう。そう思って観に行ったら、やはりその通り。 荒波に打たれ続ける、藁を巻いて泳げ…
戦争の現在地を鋭く捉えた映画、ということになるだろう。 ケニアの過激派テロ組織が、新たな自爆テロを計画している。この組織のメンバーにはイギリス人やアメリカ人もおり、どうやら世界中から「兵士」をリクルートしているようだ(明らかにISを想定してい…